現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 幻の「ケンメリGT-Rレーシング」を「スカイライン」で再現! メインステージは「もちろん富士スピードウェイです」

ここから本文です

幻の「ケンメリGT-Rレーシング」を「スカイライン」で再現! メインステージは「もちろん富士スピードウェイです」

掲載 13
幻の「ケンメリGT-Rレーシング」を「スカイライン」で再現! メインステージは「もちろん富士スピードウェイです」

自らの手でサーキットを駆け抜けるマシンを製作

ひと口に旧車好きと言っても、求めるスタイルは人それぞれ。オリジナルで楽しむオーナーもいれば、絶対的な速さを求めてチューニングに励むオーナーもいることでしょう。今回紹介する日産C110型「スカイライン」こと通称「ケンメリGT-Rレーシングレプリカ」を所有する北川 洋さんの旧車ライフの始まりは、今から26年前に遡ります。

ほぼオリジナルの「ケンメリGT-R」がなぜ? 197台しか製造されなかった貴重なクルマだから売るのをやめました

幻の名が付くマシンとは

日産「スカイライン」の輝かしい歴史を振り返れば、伝説と呼ばれたマシンは数多く存在する。しかし幻の名が付くマシンは、1972年に開催された東京モータショーにおいて参考出品された「スカイラインハードトップ 2000GT-Rレーシング」(以下、ケンメリGT-Rレーシング)だけといってもいいかもしれない。

モースポーツ界においては、49連勝を記録して語り継がれる「ハコスカGT-R」の次世代モデルとして発表された「ケンメリGT-Rレーシング」の活躍に誰もが期待し胸踊らされた。そのルックスは、大きなチンスポイラーとワークスフェンダーを備え、ゴールドストライプのレーシングマシンと完全に仕上がっていたので、サーキットでの活躍を誰もが疑わなかった。だが、悲運にも時代がケンメリGT-Rレーシングのデビューを阻み、その姿は一度もサーキットで見ることなく幻のまま幕引きとなってしまった。

北川 洋さんは、そんな幻のマシンに憧れを抱き、自らの手でサーキットを駆け抜ける「ケンメリGT-Rレーシング」を作ろうと決意。

「思い起こせば、今から26年前の話になるかな」

と当時を思い出す。

さすがに本物の「スカイラインGT-R」は買えないため、解体屋に行って状態が良さそうな車体がないかを物色。そこでたまたまたまたま見つけたのが、このC110型「スカイライン」だった。幸運なことに、ボンネットを開けてみると、エンジンはL28SUキャブレターを装着し、トランク内にはインマニとφ44ソレックスが転がっていたのだ。

価格的にも予算内だったので購入し、まずは走れるように修復スタート。ケンメリといえば不良が乗るクルマの代名詞なだけに、購入直後はサスペンションをカットして車高短仕様にして、レーシングタイヤを履かせた街道レーサー気取りのマシンとして制作。ちょっとヤンチャなリメイクを楽しんだ時期もあったという。

FRP技術を独学で学ぶ

しばらくするとモータースポーツの世界が気になりだし、C110型スカイラインを本格的に攻めて走れるようにチューニングを施した。そのチューニング内容は、完全にサーキット走行用としてのリメイクだった。

現在、プロトタイプの「ケンメリGT-Rレーシング」用パーツはキットとしても販売されているが、北川さんが車両の製作を始めた時にはそういった便利な物はなく、さまざまな資料を集め、参考にしながらレプリカ製作を進めた。そのため、オーバーフェンダーや各スポイラー、ヘッドライトのジャケットも含めてFRP技術を独学で学び、完全オリジナルで型を完成してしまったというから驚きだ。

外装以上に手間とお金がかかっているエンジンについては、P90ヘッド面研に東名のカム、ポート研磨、リセス加工等を施したL28型改3.1Lエンジンのメカチューンだ。キャブはウェーバーφ50、タコ足はワンオフ等長φ48をセットし、φ80の自作ステンレスマフラーを組み合わせている。また、燃料系はポンプも含めて全てトランクに移設し、キノクニ製の安全タンクもセットすることで安定供給を図る。

ドライビングスキルを磨く日々

サーキット走行仕様として肝心な足まわりについては、長年仕様変更を繰り返し、C110型スカイラインにベストなセットを組む。現在の仕様は、前後スターロード製の車高調キットにリア強化ロアアーム、前後ARCスタビライザーを装着。ブレーキはRacing製ローターに加えてキャリバーもウィルウッド製に交換。駆動系は、オグラ製レーシングコンセプトクラッチにニスモのR180LSD、そして日産S15型「シルビア」用のニスモ6速クロスミッションを搭載する。

運転席も「戦うレーシングカー」としてアンダーコートを剥がし、メーター類もハーネスを引き直してセット。プッシュ式のスターターを装着するなど、本格的に作り込んでいる。また最近のメーターはデジタルで管理するケースが多いが、アナログメーターを採用する点がオーナーのこだわりを感じさせる。機械式サブメーターを多く配置する点は、旧車好きにとっても好感が持てるポイントだろう。

このマシンのメインステージは、オリジナルのケンメリGT-Rレーシングが走るはずだった富士スピードウェイだ。現在の目標はFSWで2分切りを達成すること。そのために北川さんは、現在進行形でチューニングを施し、ドライビングスキルを磨く日々を過ごしている。ちなみに、この通称「ケンメリGT-Rレーシングレプリカ」はフル公認車ということだ。

こんな記事も読まれています

なつかしのホンダ「N360」はラリーカーをオマージュ! 空冷ホンダ車マニアが「ホンダZ GS」からエンジンを移植して仕上げた本気仕様でした
なつかしのホンダ「N360」はラリーカーをオマージュ! 空冷ホンダ車マニアが「ホンダZ GS」からエンジンを移植して仕上げた本気仕様でした
Auto Messe Web
なつかしのマツダ「ポーター」はまるでチョロQ! 部品取り車を1台キープするほど溺愛された個体の貴重なオリジナルポイントとは
なつかしのマツダ「ポーター」はまるでチョロQ! 部品取り車を1台キープするほど溺愛された個体の貴重なオリジナルポイントとは
Auto Messe Web
昭和レトロなダイハツ「ハイゼット」はトヨタ「カローラ」よりも古い歴史を持っていた! 唯一の角目は3代目のみ、パーツ探しもひと苦労です
昭和レトロなダイハツ「ハイゼット」はトヨタ「カローラ」よりも古い歴史を持っていた! 唯一の角目は3代目のみ、パーツ探しもひと苦労です
Auto Messe Web
走行2万キロのホンダ「N360」を発見! 内外装新車当時の奇跡の個体を33年間キープし続けてきたオーナーの目標は「後世に残すこと」
走行2万キロのホンダ「N360」を発見! 内外装新車当時の奇跡の個体を33年間キープし続けてきたオーナーの目標は「後世に残すこと」
Auto Messe Web
トヨタ「GRヤリス」を海外パーツで唯一無二のスタイルに! 通勤仕様が気がつけば見事なまでのローダウンに変貌した経緯とは
トヨタ「GRヤリス」を海外パーツで唯一無二のスタイルに! 通勤仕様が気がつけば見事なまでのローダウンに変貌した経緯とは
Auto Messe Web
トヨタ「GRヤリス」をF1好きが昂じてレッドブル仕様に! 参考にしたのはロバンペラの「GRカローラ」でした
トヨタ「GRヤリス」をF1好きが昂じてレッドブル仕様に! 参考にしたのはロバンペラの「GRカローラ」でした
Auto Messe Web
いまやミニ「1275GT」が300万円オーバーに! かつての不人気車はビミョーなスタイリングと台数の少なさから価格上昇中です
いまやミニ「1275GT」が300万円オーバーに! かつての不人気車はビミョーなスタイリングと台数の少なさから価格上昇中です
Auto Messe Web
ホンダ「ライフ」に「ステップバン」じゃない「ライトバン」があった! 5MTにエンジンチューンで通勤快速仕様です
ホンダ「ライフ」に「ステップバン」じゃない「ライトバン」があった! 5MTにエンジンチューンで通勤快速仕様です
Auto Messe Web
「Zカー」といえば思い出すのは何代目!? バブル絶頂期に登場したスポーツカー 日産・Z32型「フェアレディZ」ってどんなクルマ?
「Zカー」といえば思い出すのは何代目!? バブル絶頂期に登場したスポーツカー 日産・Z32型「フェアレディZ」ってどんなクルマ?
VAGUE
ピンク・ジャガーは純正色!「Eタイプ シリーズIII」がなんと約1320万円で落札! V12エンジンが再評価されています
ピンク・ジャガーは純正色!「Eタイプ シリーズIII」がなんと約1320万円で落札! V12エンジンが再評価されています
Auto Messe Web
彼女のマツダ「RX-7」は175台限定の「タイプRZ」でした! ドレスデザイナーがFD3Sを選んだ理由と愛車に巡り合ったストーリーとは
彼女のマツダ「RX-7」は175台限定の「タイプRZ」でした! ドレスデザイナーがFD3Sを選んだ理由と愛車に巡り合ったストーリーとは
Auto Messe Web
彼女のトヨタ「GRヤリス」は「RS」なのに「GRMN」ルックのなぜ? どうしてもGRMN仕様に変更できなかった2カ所とは
彼女のトヨタ「GRヤリス」は「RS」なのに「GRMN」ルックのなぜ? どうしてもGRMN仕様に変更できなかった2カ所とは
Auto Messe Web
「4WDターボのMT車」しばりでトヨタ「GRヤリス」を購入! カスタムベースの「RC」を選んでパーツが先にショップに届いた!?
「4WDターボのMT車」しばりでトヨタ「GRヤリス」を購入! カスタムベースの「RC」を選んでパーツが先にショップに届いた!?
Auto Messe Web
世界で一番有名な「ミニ・クーパー」を完コピ! モンテカルロ・ラリーの総合優勝車の「レクリエーション」はたったの765万円でした
世界で一番有名な「ミニ・クーパー」を完コピ! モンテカルロ・ラリーの総合優勝車の「レクリエーション」はたったの765万円でした
Auto Messe Web
「カウンタック」はいかにフェラーリに対抗すべく進化したのか? 排気量アップした「LP5000 QV」はいまや7600万円と価格高騰中です
「カウンタック」はいかにフェラーリに対抗すべく進化したのか? 排気量アップした「LP5000 QV」はいまや7600万円と価格高騰中です
Auto Messe Web
25歳の若者がトヨタ「70スープラ」に憧れてオーナーに!「ヴィッツ」から乗り換えて純正ルックでサーキット仕様へ
25歳の若者がトヨタ「70スープラ」に憧れてオーナーに!「ヴィッツ」から乗り換えて純正ルックでサーキット仕様へ
Auto Messe Web
「バモスホンダ」の貴重なサイドカーテンの苦労とは?「ステップバン」と並行して所有する公私ともにホンダまみれの生活に注目
「バモスホンダ」の貴重なサイドカーテンの苦労とは?「ステップバン」と並行して所有する公私ともにホンダまみれの生活に注目
Auto Messe Web
スカイラインGT-Rで成功した男(1) カーマニアと日産との出会い いしずえ築いたR32型
スカイラインGT-Rで成功した男(1) カーマニアと日産との出会い いしずえ築いたR32型
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

13件
  • b16********
    スカイラインで再現って
    ケンメリもスカイラインでしょうに
  • zai********
    S15の6MTで耐えるの?

    でも、とにかく楽しんでくださいね

    勝ちです。

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.92050.0万円

中古車を検索
スカイラインの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.92050.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村